2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧
音楽ライターの小野島大です。雑誌『MUSICA』の鹿野淳氏が主宰する音楽メディア人養成講座「音小屋」の「音楽ジャーナリストコース」の講師を2013年8〜9月(2013年夏期)、11月〜2014年3月(第6期)、8月〜9月(2014年夏期)の3回にわたってつとめました。 …
The SALOVERS 『C’mon Dresden.』 私にとってのヒーローはサラバーズだ。彼らの音楽に出会ったのは、十代の音が詰まった「閃光ライオット2009」のコンピレーションアルバムだった。この年の「閃光ライオット」を観に行ったわけでもなければ気になるバンドが…
YUKI『PRISMIC』 ジュディマリこと、JUDY AND MARYがデビューしたのは1993年。YUKIが21歳の時。ミスチルやスピッツ、GLAYらが台頭した90年代のバンドブームに埋もれることなく、惜しまれながら2001年に解散した。そして翌2002年には、シングル『the end of s…
東京カランコロン『We are 東京カランコロン』 私が初めて見た2011年の時点でもう既に、インディーポップバンドとして規格外に素晴らしい楽曲を彼らは鳴らしていた。その時に新曲として発表されたM-2”少女ジャンプ”という曲を聞いて、不覚にも瞬間的に恋に落…
サカナクション『GO TO THE FUTURE』 変わらないまま変わっていきたい。そう、楽曲ほとんどの作詞作曲を手がける、Vo&G.山口一郎はつぶやいた。何やらなぞなぞを出題されたみたい。これは難題。だが、改めて1stアルバム「GO TO THE FUTURE」を聴いた時、答…
andymori『andymori』 日本のインディーロック界において注目を集め ていたandymoriがリリースした1stフルアルバム。彼らの奏でるシンプルなコード進行は60年代の初期ガレージロックを思い出させ、それに加えて優しく甘くも感じるメロディは和製リバティーン…
クリープハイプ『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』 特別な歌。「私の歌」。デビュー以来発表された曲の中でも、このアルバムの収録曲は群を抜いてパーソナルな歌詞である。クリープハイプのメジャーファーストアルバム“死ぬまで一生愛されてると思って…
MANDO DIAO/『Bring ‘em In』 新品、新商品よりも、古着とかヴィンテージ家具のように傷があるものの方が、特別で魅力的に感じる。音楽に関しても同じ。もとは希少な60年代もののデニムやら革ジャン。汚れたり、糸がほつれたりする。それに愛着が湧く感覚。…
root13.「窓際/少女/水槽/2月」 人との別れは、突如やってくる。そして、それは、気が付いたときには、もう手の届かないところに行ってしまう。どこかで、終わりが来ることが分かっていても、今を大切にできないときがある。 大阪を中心に活動している、男…
真空ホロウ『contradiction of the green forest』 「1stアルバムが一番良い」。こんなセリフはたとえファンの率直な本心だったとしても、アーティストたちからしたら何の褒め言葉でもない。「あなたたちのキャリアに更新性は無かった」と、告げるようなもの…
Vampire Weekend『Vampire Weekend』 アーティストは音楽のみならず、ファッションや、言動により何がしかのイメージを抱かれる。それらのイメージを排除して、純粋に音楽だけを評価することに一体何の意味があるだろう。言わずもがな彼らが音楽を規定する価…
miwa『gutarissimo』 少女が大人になる瞬間を見たことがあるだろうか。あどけない笑顔や弱々しい涙がどこか力強くなり、凛として前を向く一瞬である。少女はいつまで少女でいられるだろう。大人になりたくなかった高校生の頃の私は、そんなことばかり考えて…
Godspeed You! Black Emperor『F♯ A♯ ∞』 決して聞き易いアルバムではない。一曲も非常に長い。ただその楽曲には、世界や常識に抗っていく確かな魅力がある。 彼らの1stアルバム『F♯ A♯ ∞』は、私たちの「感情」そのものを表しているようだ。街頭の雑踏のフ…