音小屋・音楽ジャーナリストコース(小野島講座)

音小屋・音楽ジャーナリストコース(講師・小野島大)の受講生の作品を掲載していきます

2014-10-05から1日間の記事一覧

クリープハイプ『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』(2012)

クリープハイプ『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』 特別な歌。「私の歌」。デビュー以来発表された曲の中でも、このアルバムの収録曲は群を抜いてパーソナルな歌詞である。クリープハイプのメジャーファーストアルバム“死ぬまで一生愛されてると思って…

MANDO DIAO『Bring ‘em In』(2002)

MANDO DIAO/『Bring ‘em In』 新品、新商品よりも、古着とかヴィンテージ家具のように傷があるものの方が、特別で魅力的に感じる。音楽に関しても同じ。もとは希少な60年代もののデニムやら革ジャン。汚れたり、糸がほつれたりする。それに愛着が湧く感覚。…

root13.「窓際/少女/水槽/2月」(2011)

root13.「窓際/少女/水槽/2月」 人との別れは、突如やってくる。そして、それは、気が付いたときには、もう手の届かないところに行ってしまう。どこかで、終わりが来ることが分かっていても、今を大切にできないときがある。 大阪を中心に活動している、男…

真空ホロウ 『contradiction of the green forest』(2009)

真空ホロウ『contradiction of the green forest』 「1stアルバムが一番良い」。こんなセリフはたとえファンの率直な本心だったとしても、アーティストたちからしたら何の褒め言葉でもない。「あなたたちのキャリアに更新性は無かった」と、告げるようなもの…

Vampire Weekend『Vampire Weekend』(2008)

Vampire Weekend『Vampire Weekend』 アーティストは音楽のみならず、ファッションや、言動により何がしかのイメージを抱かれる。それらのイメージを排除して、純粋に音楽だけを評価することに一体何の意味があるだろう。言わずもがな彼らが音楽を規定する価…

miwa『gutarissimo』(2011)

miwa『gutarissimo』 少女が大人になる瞬間を見たことがあるだろうか。あどけない笑顔や弱々しい涙がどこか力強くなり、凛として前を向く一瞬である。少女はいつまで少女でいられるだろう。大人になりたくなかった高校生の頃の私は、そんなことばかり考えて…

Godspeed You! Black Emperor『F♯ A♯ ∞』(1997)

Godspeed You! Black Emperor『F♯ A♯ ∞』 決して聞き易いアルバムではない。一曲も非常に長い。ただその楽曲には、世界や常識に抗っていく確かな魅力がある。 彼らの1stアルバム『F♯ A♯ ∞』は、私たちの「感情」そのものを表しているようだ。街頭の雑踏のフ…